上野日記

自分が主人公の小さな物語

朝井リョウの『何者』を読んだ

朝井リョウの『何者』を読んだ。2012年に新潮社より刊行され、2013年に第148回直木賞を受賞した長編小説だ。「直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少となる」らしい。

WEBより。

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

就職活動に悩む大学生男女5人、それぞれの悩みながら送る日々を描いている。今風の話を表しているようにTwitterFacebookSkype、LINEなどのSNSが登場する。自分が何者であるのかを表現するには140文字は短すぎる。140文字の先には何が見えるのか。自分じゃない何者かになったつもりでいるのか。ただただ悩むことは今も昔も変わらないのかもしれない。
自分は学生の頃どんなことを目標にしていたのだろうか。日々流されるままに生きていたのかもしれない。もしこの本をその当時読んでいたらどんなことを思っただろうか。なんか切なくなってきた…。

直木賞にしては面白みがなかったかな。どちらかというと芥川賞(純文学)のような感じを受けた。

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