上野日記

自分が主人公の小さな物語

窪美澄の『ふがいない僕は空を見た』を読んだ

窪美澄の『ふがいない僕は空を見た』を読んだ。2010年に新潮社より刊行された、連作短編集だ。収録されている「ミクマリ」で2009年のR-18文学賞大賞受賞。2011年にその受賞作を収録した本書で第24回山本周五郎賞受賞、そして第8回本屋大賞第2位になった。2012年には永山絢斗田畑智子出演による映画が公開された。

山本周五郎賞本屋大賞ときいていつか読みたいと思っていた本だ。

「ミクマリ」「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」「2035年のオーガズム」「セイタカアワダチソウの空」「花粉・受粉」の連作が収録さている。主婦と不倫する高校生、その主婦、その高校生を好きな同級生の彼女、その高校生の友達、その高校生の母親が主人公として描かれている。

最初の数ページを読んで「官能小説」なのかと思わせる内容で、R-18文学大賞というのを納得させる内容だった。それぞれの登場人物には心の傷とか暗い影を引きずる過去があり、その心理描写とか情景描写が緻密で巧みな文章で描かれており、次第に引き込まれていった。

話の内容としては感動しなかったが、なんだろう、なんか感動した。説明できない…orz。




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