上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『同級生』を読んだ

東野圭吾の『同級生』を読んだ。1993年に祥伝社より刊行された本格学園推理小説だ。本書は講談社文庫の文庫本で、古本屋で買ってきた。

主人公の少年は高校生3年で野球部のキャプテンだ。同級生の彼女が少年の子を身ごもったまま交通事故死した。ただその事故には女性教師がかかわっていたことが分かり、その事故の真相を探ろうとしていた。ところがその女性教師の絞殺体が主人公の教室で発見される。教師を恨んでいた少年に疑いの目が…。
少年の誰にも言えない秘密、その少年を気遣う同級生、女性教師の報われない気持ち。因果応報、多くの人が少しずつ絡んで悲しい結果になった。ちょっと絡め過ぎのような気もしたが、結果OKなのかな。それにしても刑事は喋り過ぎと思ったのは私だけだろうか。

「あとがき」を読んで笑ってしまった。

…〈略〉…。
そんなことを考えながら、この小説を書いた。本格学園推理は、デビュー作の『放課後』以来、二作目である。正直いって、とても苦労した。あまり苦労したので、初めて、『あとがき』を加工という気にもなったのである。

「〈略〉」の部分を読まないと伝わらないが、きっと大変だったんだろうなぁ…。

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