上野日記

自分が主人公の小さな物語

和田竜の『のぼうの城』<下>を読んだ

和田竜の『のぼうの城』<下>を読んだ。2007年に小学館より刊行された長編歴史小説だ。

昨日読み終えた上巻の続きで、面白く一気に読み終えてしまった。

降伏する筈が“のぼう様”こと成田長親の「戦いまする」で、豊臣軍総大将石田三成率いる2万余の大軍に対し忍城には農民も含めて2千強で迎えうつことになる。三成軍は緒戦で大敗し、7里(約28Km)の人工堤を5日で築き水攻めに切り替える。そこでのぼう様がとって奇天烈な作戦で三成軍はまたもや窮地に追いやられる。

忍城軍の各大将の戦いぶりもさることながら、のぼう様の計算があっての行動なのか不明なところもなかなか面白い。結局のところのぼう様は馬鹿なのか名将なのか謎のままだが、領民からは慕われていることは分かった。

登場人物は歴史上存在する人たちがほとんどだったし、三成の忍城水攻め史実である。小説の中に所々参考文献を引用した説明や筆者自身の話、現在の各所の様子なども織り込んでいるところが、他の歴史小説とは違って引き込まれたのかもしれない。

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