上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉田修一の『長崎乱楽坂』を読んだ

吉田修一の『長崎乱楽坂』を読んだ。2004年に新潮社より刊行された、短編連作を並べた長編小説だ。本書は2007年の文庫本だ。

単行本を図書館でも見かけていたのでいつか読まなきゃと思っていたら、古本屋に100円で売られていたので思わず買ってきた。
6つの短編から構成されており、父を亡くし母方のヤクザの家に住む兄弟の成長が描かれている。地方ヤクザで枝の枝、一時期は羽振りもよかったが次第に没落しいく。威勢のいい組員たちとは違い、おとなしい性格の兄。それを毛嫌いしているような弟。少年の憧れていた男たちの思い出は、燃え尽き、消滅してしまうことになる。その後、どのような人生を歩いていったのだろうか。立ち直れたのだろうか…。気になる。

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