上野日記

自分が主人公の小さな物語

葉室麟の『蜩ノ記』を読んだ

葉室麟の『蜩ノ記』を読んだ。2011年に祥伝社より刊行され、2012年に第146回直木賞を受賞した長編時代小説だ。1月に図書館に予約し漸く読むことができた。

少し内容が複雑で簡単に説明ができないのでAmazonの内容紹介を以下に引用する。

鳴く声は、命の燃える音に似て―― 命を区切られたとき、人は何を思い、いかに生きるのか? 豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり……。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説!

主人公の人柄や実直さがひしひしと伝わってきた。山村の風景描写も実にいい。お家騒動の裏に隠された謎を解いていくミステリー性も含んでおり、さすが直木賞だと思った。ただ、読んでいてラストはこうなってほしいという願望は裏切られてしまったが、主人公の性格からして、やはりこうあるべきだったかな。なかなか面白かった。

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