上野日記

自分が主人公の小さな物語

万城目学の『鴨川ホルモー』を読んだ

万城目学の『鴨川ホルモー』を読んだ。2006年に産業編集センターより刊行された青春ファンタジー小説で、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した万城目氏のデビュー作だ。2009年には山田孝之栗山千明出演で映画が公開された。観てみたい。なお、本書は角川文庫の文庫本だ。

先日『プリンセス・トヨトミ』を読んだので、他の作品も読んでみようかと思っていたら古本屋で見つけて買ってきた。図書館で借りてもよかったのだが…。
京都が舞台で大学(京都大学京都産業大学龍谷大学立命館大学)の怪しげなサークルで謎の競技「ホルモー」の対戦を行う。普通の人には見えない「オニ」が出てきたり、「オニ語」を話したりと何とも不思議な話だが、サークル活動に(ある意味強制的にだが)打ち込む姿勢は共感が持てた…かな。
プリンセス・トヨトミ』の時も説明が後回しになり読んでいていらついたが、これも同じで、小説の出だしで〈みなさんは「ホルモー」と言う言葉をご存じか〉で始まる。〈一種の競技の名前なのだ〉と。それからどんな競技なのか、ルールは何かという説明が全くない。漸く130ページを過ぎたあたりから明らかになるのだが、やっぱりこれが万城目氏の作風のようだ。面白いから、まぁいいか。

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