上野日記

自分が主人公の小さな物語

小檜山博の『スコール』を読んだ

小檜山博の『スコール』を読んだ。1999年に集英社から刊行された小説だ。

先日(6/6)テレビで映画『恋するトマト』が放送された。面白い題名だったので録画した。調べると原作があったので、図書館の予約もないし、せっかくなので原作を読んでから観るかなと思い図書館で借りてきた。
主人公は、北海道の農家の長男で43歳独身、嫁さんを探している。6年前に結婚しようとした女性は「好きな人ができた。農家はやりたくない」と言って結婚式当日に逃げた。半年前には役場主催のお見合いパーティーに出席したが、結婚したいけど借金がるという女性に400万円持ち逃げされた。今度はフィリピンに嫁探しに来たが、ここでもだまされ無一文になる。やくざの手伝いをさせられ、麻薬持ち出し犯に嵌められて刑務所に入れられ生きる気力もなくなる。踏んだり蹴ったりの人生だ。そんな主人公を支えたのは、やくざに追われていたのを助けた女性だった。純情男の運命やいかに、嫁さんは見つかるのか…。なかなか面白かった。

【追記:2012/6/15】
映画を観た。大筋は原作に沿っているがかなり変更されているのは残念だった。それに私の好みでもなかった。原作を忠実に映画化するのであれば内容的にかなり問題(脱獄や偽造パスポート等)があるかもしれない…。

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