上野日記

自分が主人公の小さな物語

瀬尾まいこの『幸福な食卓』を読んだ

瀬尾まいこの『幸福な食卓』を読んだ。2004年に講談社より刊行され、2005年に第26回吉川英治文学新人賞を受賞した長編小説だ。2007年には北乃きい主演の映画が公開された。

先日(2/18)テレビで放映されたので、映画を観る前に原作を読んでみることにした。瀬尾まいこを読むのは『卵の緒』に続き二冊目となる。
中学3年から高校2年の少女を描いている。ある朝「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」で父親が宣言し仕事も辞め大学を受験すると言い出す。その父親は5年前に自殺未遂を犯した。6歳違いの兄は、勉強は学校で1番、スポーツもできるが天才肌だが大学進学を拒否して農業を始めた。母親は夫の自殺未遂のショックで一緒に暮らすことができず、近くのアパートに家出をしている。

多感な少女期の主人公の家族は崩壊気味だった。父さんは父さんを辞め、母さんは母さんを辞め、兄は大学進学を辞めた。心の支えはボーイフレンドだったのかもしれない。が、その支えを失った時、身近な大切なものを見つけられたのかもしれない。「家族は作るのは大変だけど、その分、めったになくなるものではないさ。だから安心して甘えたらいい」と諭される。そして大人の女性へと成長していくのだろう。

そして、映画を観た。原作にほぼ忠実で、こちらも良かった。北乃きいが後ろを時々振り返りひたすら歩くラストシーンとそこで流れるMr.Childrenの「くるみ - for the Film - 幸福な食卓」の歌もなかなか良かった。

© 2002-2017 Shuichi Ueno