上野日記

自分が主人公の小さな物語

重松清の『とんび』を読んだ

重松清の『とんび』を読んだ。2008年に角川書店より刊行された長編小説だ。2012年1月にNHKでドラマ(堤真一小泉今日子)が放送された。

重松清は好きな作家のひとりだったので、NHKでこの小説のドラマが放送されると知りあわてて図書館に予約したのだった。
子供のころ母親を早くに亡くし父親に捨てられた過去を持つ主人公は、結婚し子供ができ、ようやく幸せな家庭を持つことができた。そんな矢先、妻が子供をかばい不慮の事故で亡くなる。父ひとり子ひとり、「鳶が鷹を産んだ」と揶揄され、息子は周りの人たちの手助けですくすくと育つ。不器用な主人公は、悩みながらそして息子の幸せを第一に考えながら、一生懸命に子育てをする。わが子の成長を見守りながら、そして自分も父親として成長する。

NHKのドラマは、前編後編あわせて2時間半のドラマだったためか、かなり端折られていた。詳細な時代背景、登場人物の生い立ちや関係、それぞれの思いと考えがかなり省略されていてすこし残念だったと思うが、一番重要な父親の思いと息子の思いは伝わってきたのでよかった。

どうもこの手の小説を読むと心が痛い。

© 2002-2017 Shuichi Ueno