上野日記

自分が主人公の小さな物語

海堂尊の『マドンナ・ヴェルデ』を読んだ

海堂尊の『マドンナ・ヴェルデ』を読んだ。2010年に新潮社より刊行された小説で、『ジーン・ワルツ』の裏編となっている。また、2011年4月からNHK松坂慶子国仲涼子出演による連続ドラマが放送された(観なかったけど)。

ジーン・ワルツ』は産婦人科の女医が主人公で、大学病院や地域医療、厚生労働省などの官僚批判等を通して医療現場や代理母出産の問題を提起しているたが、本小説はその中で代理母出産をする55歳の女性が主人公だ。
ジーン・ワルツ』の中で明かされていたか記憶が定かではないが、その代理母出産する女性は女医の母親だ。女性の子供の頃からのエピソードなどが織り込まれている。早くに夫を亡くし、女手ひとつで娘を育てた。娘はそんな母親を疎ましく思っていたのかもしれない。娘(女医)に対する考え方、女医の夫(義理の息子)に対する考えや母親としての思いを絡めて、日本の医療関係に代理母出産のひとつの考え方を提起している。

子宮の奇形で子供が産めなくなった娘(女医)は母親に代理母出産を依頼する。一瞬躊躇するものの娘のためと思い引き受けるが、娘の考え方に疑問を抱く。女医の代理母出産に対する考え方は、母親には理解できない。娘の育て方を間違えたかと悩む。そして母親の取った行動は……。

「母親の力強さ」や「母親の思い」とか、女性の信念や母子の繋がりを感じさせられた。

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