上野日記

自分が主人公の小さな物語

綿矢りさの『かわいそうだね?』を読んだ

綿矢りさの『かわいそうだね?』を読んだ。2011年10月に文藝春秋より刊行された小説で、「亜美ちゃんは美人」も収録されている。

美人芥川賞作家で有名な彼女の5作目の小説だ。先日(10/29)、阿川佐和子が司会するTBS系の番組「サワコの朝」にゲスト出演し、本書の宣伝もしていた。
かわいそうだね?:百貨店に勤める28歳の女性が主人公。ある日彼氏のところに元カノがアパートの家賃を払えないからと転がり込むことになった。そして一悶着あり、彼女が最終的に取った行動は……。うーん。

亜美ちゃんは美人:主人公は<さかき>ちゃんという美人。高校で同じクラス、出席番号一つ違いの<亜美>ちゃんはもっと美人で、学校中の評判の子だ。<さかき>と<亜美>は親友同士になり、大学や就職先は別でも付き合いはある。<亜美>は注目の的でも<さかき>はいつも付属扱い。そんな<さかき>は<亜美>のことが嫌いだったのかもしれない。それでも友情は成り立つ。


若い女性の目線で人物や物事が観察され、その女性の気持ちが詳細に語られている、…のかな。「かわいそうだね?」は事前情報では最後にどんでん返しがあるということだったのでどんなのかと思ったら、少し期待外れだったような気がする。「亜美ちゃんは美人」の<さかき>はひょっとしたら自分のことがモデルになっているのかもと勘繰ってしまった。

綿矢作品はすべて読んだが、自分には合わないような気がしてきた。

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