上野日記

自分が主人公の小さな物語

村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻』を読んだ

村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻』を読んだ。1985年に新潮社から刊行され、第21回谷崎潤一郎賞を受賞した村上春樹4作目の長編小説だ。本書は、1988年に新潮文庫から刊行されたものだ。「『ノルウェイの森』(単行本)のあとがきの中で、村上はこの小説を自伝的な小説であると位置づけている」らしい。

「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の話が交互に展開していく。「世界の終り」は、塀の中で一角獣の頭骨から夢を読む主人公の話で、自分の影と切り離されてその世界を脱出しようと企てる。外界から隔離され「心」をなくそうとする主人公。
「ハードボイルド・ワンダーランド」は、職業が「計算士」という主人公が自分の脳に仕掛けられた謎を解こうとして、「記号士」や「組織」と争う。

不思議な内容でよくわからなかった。話は面白いのだが……。裏表紙の説明に「同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?」とあるが、届かなかったかもしれない…orz。


村上春樹の長編小説はあと『1Q84』だけとなったが、図書館の待ち行列は1000近くあり当分読めなさそうだ。

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