上野日記

自分が主人公の小さな物語

横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』を読んだ

横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』を読んだ。2003年に文藝春秋から刊行され、2005年に佐藤浩市主演によるドラマ化、2007年には堤真一主演による映画化がされた長編小説だ。これは2006年に単行本化された本だ。

NHKのドラマは観た記憶があった。もちろん佐藤浩市の顔も浮かんだし、日航機墜落事故の話だったことも思い出したが、詳しい内容を思い出せない。古本屋で見つけ買ってきた。映画版は観たことがないので機会があれば観てみたい。
1985年8月12日日航123便群馬県御巣鷹山に墜落した。主人公は群馬の地方紙の新聞記者で、「日航全権デスク」に任命された。事故から1週間の編集局の慌ただしさと17年後事故の日に倒れた親友の息子との登山の話が綴られている。現場記者とのやり取り、上司との意見相違、編集・販売・広告・出版などの他局との対立、社長派専務派の社内紛争などに揉まれながら自分の信念を貫いて新聞を作る。家庭に帰ると中学になった息子とのわだかまり、自分が幼かったころの母親の忌まわしい記憶、後輩記者を死に追い込んだと思うトラウマなど悩みを抱える40歳も描かれている。いろんなわだかまりや謎を17年後の衝立岩への登山が徐々に解きほぐしてくれる。
日航機墜落事故の悲惨さ、現場記者の命懸けの奮闘、新聞編集の内部の様子が実にうまく描かれていたと思う。そして泣けた……。


毎年8月12日になると日航機墜落事故のニュースや特集がテレビで流れる。当日、羽田から熊本まで飛行機に乗り帰省したので、いつも「あの日飛行機に乗ったよな」ということを思い出してしまう。事故のニュースを観たのは実家に着いて既に夕食も済ませていたと思うが、非常に驚いたことを覚えている。もう26年になるのか。

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