上野日記

自分が主人公の小さな物語

五木寛之の『親鸞』<下>を読んだ

五木寛之の『親鸞』<下>を読んだ。2009年に講談社より刊行され、2010年には第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞した長編小説だ。上巻を読んだのが8/28で、ようやく下巻を読むことができた。

下巻は、親鸞が29歳から35歳までの話が語られている。比叡山を下りて法然上人の草庵に通い出し、そして法然の弟子と認められ次第に法然上人に高く評価されていくことになる。名前を範宴(はんねん)、綽空(しゃっくう)、善信(ぜんしん)、そして越後に流刑となる時に親鸞に変える。物語はそこで終わっている。続編があってもおかしくない終わり方だ。
本書は、五木寛之が考える「親鸞」を史実や諸説や推論の中から選び想像を働かせて書いた物語である。あとがきにも「安楽房その他の登場人物は、私の想像の中でさまざまに膨らませてもらった。実在の人物とは異なる物語りの登場人物としてお許し頂きたい」と断っている。

だから面白いのかもしれない。是非続編を書いてほしい。

(2011/9/11追記)
読書メーターのユーザから、続編が新聞に連載中だということを教えてもらった。発売はいつになるかわからないが今から楽しみだ。

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