上野日記

自分が主人公の小さな物語

石田衣良の『6TEEN』を読んだ

石田衣良の『6TEEN』を読んだ。2009年に新潮社より刊行された小説で、2003年に直木賞を受賞した『4TEEN』の続編になる。

同じ中学の14歳だった4人の少年は16歳になっていた。高校はバラバラだが、月島の「もんじゃ焼き屋 ヒマワリ」を中心にたむろし今でも仲がいい。「おばけ長屋のおばあ」「クラインの妖精」「ユウナの憂鬱」「携帯小説家に出会ったら」「メトロガール」「ウォーク・イン・ザ・プール」「秋の日のベンチ」「黒髪の魔女」「スイート・セクシー・シックスティーン」「16歳の分けれ」の10のエピソードが綴られている。
それぞれ性格の異なる4人の少年は、なんでも相談し合えるほどの仲だ。もんじゃ焼きとサイダーでいつまでもバカ話をしていられる。恋愛や裏切りそして仲直りなどお互いの友情を羨ましく思えるほどだ。彼らが大人になったら、サイダーの代わりにビールを呑み、そしてもんじゃ焼きを食べながらいつまでも想い出話で盛り上がるのかもしれない。

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