上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉田修一の『パレード』を読んだ

吉田修一の『パレード』を読んだ。2002年に幻冬舎から刊行され、第15回山本周五郎賞を受賞した長編小説だ。吉田自身初めての全編書き下ろしの小説らしい。2010年には藤原竜也香里奈ら出演による映画も公開されている。観てみたい。

ふとしたことで都内の2LDKのマンションで暮らす男女5人の共同生活が綴られている。全体は5章に分かれており、話としては連続しているが、語り手(一人称で書かれている)がそれぞれの男女の視線で語られる。それぞれに悩みがあったり暗い過去があったり打ち明けたり助けたり、だがしっくりこない軽い関係のような感じだ。最後の展開にはちょっと驚いた。ま、たしかに伏線はあったにはあったが……。

それにしても、なぜ題名が「パレード」なんだろう。

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