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上野日記

自分が主人公の小さな物語

「LinuxCon Japan 2011 オープンフォーラム」に行ってきた

LinuxCon Japan 2011 オープンフォーラム」に行ってきた。「The Power of Collaboration in a Crisis (災害時におけるコラボレーションの力)」と題したフォーラムだ。

通常LinuxCon Japanは有料だが、本フォーラムは無料で開催された。Webによると「このフォーラムは、協力的活動がどのように社会に貢献できるか、特に、危機や災害時にいかにして人々を支援できるかについて、問題意識を高めるものです。Ushahidi、Open Street Map Foundation、Hack for Japan、Linux などのオープン ソース コミュニティの例が紹介されます。このフォーラムに参加することにより、これらのコミュニティの活動内容や、コミュニティへの関わり方 (開発、翻訳、ドキュメンテーションなどを通じて) がわかります」とある。聞いたこともないソフトや団体だったが、暇だし無料なので申し込んでみることにした。

あの東日本大震災の直後2,3時間でそれを支援するプロジェクトが立ち上がっていたとは全然知らなかった。義援金は寄付したが、ひょっとしたら私もお金以外で協力できたのかもしれないと話を聞いていて思った。

The Power of Collaboration

The Linux Foundation 福安徳晃 氏


今回のフォーラムの目的は2点ある。「コラボレーションにおるパワーの紹介」と「パワーの仕組み、いったいどのように役にたつのかを考える」である。

Linuxとはなにか、オープンソースとは何かを簡単に話したい。Linuxはインターネットのインフラを支えている。世界の72%の証券取引はLinuxサーバ上で行われている。AndroidスマートフォンLinuxをベースにしている。Google検索エンジンも。私たちは毎日、しかも一日何度もLinuxを使用している。

Linuxオープンソース?Collaboration?

私たちの暮らしを支えているLinuxは世界中の開発者のCollaborationによって開発されている。今、Linuxをゼロから作ったら100億ドルかかる。これは2年前の数字だからもう少し増えているかもしれない。使用するには「ゼロドル」だ。


「みんなで頑張ろう」という思い→Collaborationの仕組化(OSSの例:インターネット、ゼロドル、GPL、コミュニティ、企業によるビジネス利用、普及促進団体の存在 etc)→「大きく」「継続的」な価値の創造

今回の震災に貢献した3つのオープンソースのリーダーに話をしていただき、自分たちになにができるかを考えていきたい。

東日本大震災における横浜市の対応

横浜市消防局危機管理室危機管理部緊急対策課
担当課長 土屋哲郎 氏

東日本大震災における横浜市の取組みおよび実例で、被災していない行政がどのようなことをやってきたかを話す。

1. 地震の概要
2011/3/11 14:46 三陸沖 M9.0 震度7

2. 横浜市の被害状況等
人的被害死者2名、負傷者75人
横浜市でも液状化被害が発生した(金沢区)
ライフライン:564,700戸が停電、断水34,000、津波最大1.6m

3. 横浜市の対応
対策本部体制の確立、帰宅困難者等に対する支援、被災地に対する支援、被災地からの避難者に対する支援

4. 被災地に対する支援
人的支援:応急対策支援、復興に向けた支援(区役所業務の支援)。物資支援(食料、毛布等)

5. 被災地からの避難者に対する支援
一時避難場所の提供、

6. 今後の課題
被災者・地支援:広報対策、帰宅困難者対策
防災対策:耐震対策、津波対策

みんなで作る震災復興プラットホームSinsai.infoとNextステージ

OSMファウンデーションジャパン 代表理事 三浦広志 氏

【WEBより】3月11日に発生した未曾有の災害となった東日本大震災の影で、ソーシャルメ ディア、オープンソースソフトウエア、コミュニティが活躍し、大変なスピードで支援活動を開始し、支援したことが注目された。 そのひとつSinsai.infoの誕生秘話と、Enabler Technologyはなにか、そしてなぜ早く立ち上が り、開発がすすんできているのか、その秘密を明かす。 6月11日には震災発生から2000時間を超えるが、今後、クラウドソーシング、オープンデータ、オープンコラボレーションは、どのように進化 していくのかを明らかにする。

副題:みんなで作る震災復興支援プラットホーム

インフラも被害を受けた。東京でも携帯電話の輻輳が発生しつながりにくくなった。しかし、インターネットは比較的無事だった。

地震津波後の地図づくり

Ushahidi:個人サーバ→海外サーバ→クラウド

Skypeで議論しながら同時作業を行った。3/17には70名以上の技術者が集まった。


HaitiやChileの地震を参考にできたことがSinsai.infoを迅速に作ることができた。現地に行かなくても貢献できたと思う。

How it works:メール、Twitter、フォーラムからの情報投稿。日本以外からのボランティアがいたので、時差を利用して24時間対応することができた。

内閣府の「助けあいジャパン」とも連携している。

なぜ12000件もの情報が集まったか。立ち上げから、Twitterにフォーカスして活動した。
なぜそんなに早かったのか。Ushahidiの活動から支援を受けた。Open Source Softwareだった。Haiti、Chile、NZなどでの経験があった。

4つのオープンスピリット:
Open Source Software:経費不要、立ち上げのスピード、既存のマニュアルを利用できた
Open DATA:データを自由に利用できた
Open Collaboration:開発者同士、海外・国内ボランティア、Twitter
Open to Global:ソースを戻していく。Sinsai.infoで多くの改善を実施した。

次はどうするか?
災害復旧支援システム:現地で必要になる情報の登録、管理
情報を現地へ届ける仕組み:Next STEP

Changing the World, One Map at a Time

Director of Crisis Mapping & Partnership, Ushahidi パトリック・メイヤー 氏

【WEBより】数年前なら誰も想像しえなかったような方法で、地図が世界を変えています。このプレゼンテーションでは、ハイチやエジプトからリビアや日本までの実例を挙げ、その理由について説明します。 今日の地図は、人々の集団とクラウド (crowds & clouds) が結び付き、社会を変革する「ライブマップ」です。 このプレゼンテーションは、クライシス マッピングの最新情報 (チェックイン方法など) について重点的に取り上げます。

Ushahidi:スワヒリ語で「証言」を意味する。
facebooktwitterYouTube、Email、flickr、SMS、,Skype等と連携できている。インターネットが使えなくて地上回線で使える。


人と人のつながりが9割を占めている。そこを上手にコラボレーションしていくかが大事。重要な要素は我々人間だ。

Hack For Japan

Hack For Japan 山崎富美 氏

【WEBより】災害時に開発者ができることは何か。本講演では、「Hack For Japan」の活動への取り組みについてご紹介します。

2時間で立ち上がった。Power of Speed、Share the knowledge、Reuse the code、Global collaboration 、Launch and iterate

Hack For Japan Phase ?

陸側はかなりのスピードで復興していた。昨日必要だったサービスが今日は不要になるということがある。海岸部は、津波で壊滅状態だった。見て、感じて、考えて、サポートする必要がある。

Hack For Japan Phase ?

継続するには楽しくなければならない。続かない。尻つぼみにならないように考える。そうしないとボランティアのプロジェクトなので終わってしまう。


People First:Technology exists to support people's needs

パネルディスカッション:The Power of Collaboration in a Crisis ―今後の課題は何か?―

【WEBより】講演者3名によるパネルディスカッション。オープンソースを活用した、企業や国境を越えたコラボレーションによって、ソフトウェア開発者はこれまで極めて大きな価値を社会に提供してきた。大きな成功を収める一方で、彼らが多くの困難や課題に直面して来ていることも事実である。そこで本パネルセッションでは、ソフトウェア開発者によるオープンコラボレーション活動に存在する課題を、講演者3名によるパネルディスカッションを通して抽出する。(モデレータ:福安徳晃)

会場からの質問でディスカッションを進める

  • 具体的な成果はどういうところにあったのか。

すごく役に立ったとは思っていない。一定の役割は果たせたと思うが、いろんな人(自分達以外も含めて)の力でできたと思う。

Hack For Japanは成果は考えない。

  • 全体的にみて課題はどういうところにあったのか。

現地に入って、聞いて改善する必要がある。地震の前から練習をしていないとうまくいかない。おもしろいマッピング(酒蔵マップとか)をやっていると、いざというときに役にたつと思う。

問題点を共有してトラッキングする必要がある。現地の人と一緒に考える必要がある。絶えず改善をする必要がある。

使い方がわからない、デバイスを持った限られて人しか使えないと思ってしまった。→その通り。そういう人の意見を取り入れたい。

  • 法整備とかインフラで課題はあったか。「遺失物」とかは警察が介在しないといけなかった。

sinsai.infoの経験から個人情報を扱うので法整備は必要だということは思っていた。国際弁護士にも入っていただいた。法務のチームと連携する事が可能だと思う。

  • 政府とのコラボレーションは考えているか?

政府の役人と相談しながら連携できている。政府と民間の中間の立場だ。

Hack For Japanは法整備に直面したことはない。考える必要があるかもしれない。経産省とコラボしたことある。

  • ハイチはSMSがなぜ有効だったか。(回答がよくわからなかった)
  • 企業支援はどんなのがありがたいか。

一線級のエンジニア、24時間365日の支援。やはり人の支援が一番。企業に求めるのではなく、人に求める。データアベイラビリティがない(PDF、グラフ)。データをオープンにすると再利用できる。データがオープンになったら、オープンソースで使える。

  • あふれた情報を整理する取り組みはあるのか。仕組みとかあればいいのではないか。

外国ではタイムラインをカテゴリ毎に見ているようだ。デマ情報はフィルタリングしたい。でも、今日の情報は明日のデマになりうる(昨日は乾電池が足りなかったが、今日はもう十分あるとか)。デマに惑わされないように自分のリテラシを上げる。デマを流す人が悪いか(悪いのは確かだが)、それをリツイートするが悪いのか、それを信じる人が悪いのか、を考えると最終的には自分の能力を上げる必要があるのではないだろうか。



このようなプロジェクトがあるのを知ったことだけでも有益だった。機会があれば参加してみたい。

© 2002-2017 Shuichi Ueno