上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『白夜行』を読んだ

東野圭吾の『白夜行』を読んだ。1998年に集英社から刊行された長編ミステリで200万部を超えるベストセラーになっている。私が読んだのは文庫本で2006年第18刷だった。

この小説は堀北真希高良健吾の主演による映画化で知り、図書館に予約を入れたのは1月末のことで、その時の予約数は80を超えていて手にするまでに3カ月を要した。図書館で受け取った時、単行本ではなく字の小さい文庫本だったことにちょっと後悔し、そして854ページという分厚さに驚いた。
2006年にはTBSでドラマ化され、その時の主演は綾瀬はるか山田孝之だった。観ていないけど……。そして「第48回ドラマアカデミー賞では本作が4冠を達成した」らしい。主人公の女性<雪穂>の容姿を「アーモンド形の目」や「大きく少しつり上がり気味の目は猫を連想」と表現している。綾瀬はるかよりは、どちらかというと堀北真希のほうがあっているのかなと読んでいて思った。

事件が発生したのは1973年で、主人公の二人は私より2,3歳年下の設定になっていた。事件発生から19年の時が流れるにつれてその時代々々の出来事などが織り込まれており、ちょっとにんまりしてしまった。

犯人は簡単に想像できても、その動機まではなかなか分からなかった。ビックリするようなどんでん返しはなかったが、ちょっと切ない気持の余韻が残ったミステリだった。

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