上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉田修一の『パーク・ライフ』を読んだ

吉田修一の『パーク・ライフ』を読んだ。2002年に文藝春秋より刊行され、同年に第127回芥川賞を受賞した小説だ。本書には1998年8月号の『文學界』に掲載された「flowers」も収録されている。

パーク・ライフ:主人公の男性が地下鉄で間違って話しかけた見知らぬ女性と日比谷公園で再開し、それから話をするようになる。昼休みに公園で話をする間柄で、デートをしたり食事をしたりとかの間柄でもない。微妙な関係だ。先輩夫婦の離婚の話、母親と母の父への手紙、公園で気球を飛ばそうとしている男性、高校のときに好きだった人、ネット上の「ぼくの分身」……、見知らぬ女性は故郷の風景を写した写真展である決意をする。見知らぬ女性も主人公も都会のど真ん中で孤独だったのかもしれない。
flowers:結婚したばかりの若い夫婦、劇団員になりたいという妻の説得で東京に出てきた主人公の夫は飲料水の配達業として働く。会社の同僚、先輩、先輩の妻、上司との変な人間関係、ラブラブだった妻が次第に離れていくような感じ、日常にありそうな出来事が語られている。


吉田修一の名前は『悪人』の映画化で知った。名前が同じ字なのでちょっと親近感がわき、調べると直木賞も受賞しているのだと知り『悪人』はいつか読みたいと思っていたところ、図書館でこの本があり読んでみるよことにした。この小説のように純文学は作者が言わんとしているのを読みとらなくてはならないのでなかなか難しいところはあるが、割と面白かった。次は『悪人』や『パレード』も読んでみたいな。

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