上野日記

自分が主人公の小さな物語

庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んだ

庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んだ。1969年に中央公論から刊行され、同年に第61回芥川賞を受賞した小説だ。ベストセラーとなり1970年に映画化もされた。
図書館で借りてきたこの本は1973年初版2002年改版の文庫本だ。作者の「四半世紀たってのあとがき」が追加されている。

学生運動のさなか、大学受験を控えた高校三年生の少年の二日間を少年の語り口調で描いている。彼女のこと、彼女の母親、母親、お手伝いさん、女医さん、学生運動のこと、受験のこと等々、いろいろなことに悩みそして愚痴る。……そして、「そんな、そんな男になろう…………」と決心する。
この小説が発表された後、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』と類似ていると話題になったらしい。以前読んだのは村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』で野崎孝訳『ライ麦畑―』は読んだことがないので比較するのはおかしいが、たしかに文体や少年の語り口調など雰囲気が似ている。もちろん庄司氏は「とにかく読んでください」と反論している。ひょっとしたら、この騒動が宣伝効果になったのではないだろうか。


元々この本を読もうと思ったのは『ライ麦畑――』を調べているときに、庄司氏の『赤頭巾――』の存在を知り、読みたいと思い図書館で探していたのだ。ようやく読むことができた。

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