上野日記

自分が主人公の小さな物語

川上弘美の『センセイの鞄』を読んだ

川上弘美の『センセイの鞄』を読んだ。1999年7月号から2000年12月号の「太陽」に連載され、2001年に平凡社から出版され、2001年度谷崎潤一郎賞を受賞した恋愛小説だ。純文学として15万部のベストセラーになったらしい。

2003年に小泉今日子柄本明主演でテレビドラマ化(WOWOW)もされたらしく、いろいろな賞を受賞したらしい。2004年にフジテレビで放送されたらしい。再放送ないかなぁ、観てみたい。
物語は、主人公の女性(37歳で独身)が行きつけの飲み屋で、高校時代の国語の先生(70歳代)と出会うところから始まる。センセイもその飲み屋を行きつけにしていたようで、そこでセンセイから「大町ツキコさんですね」と声をかけられる。センセイは女性の担任ではなかったので、顔は何となく覚えていたが名前も忘れていたほどだ。肴の趣味も合い、店で見かけると一緒に飲むようになる。徐々にツキコはセンセイに心ひかれていく。

結末はなんとなく想像できたが、読み終えてとても切ない気持になった。


高1の担任は地理の先生だった。何も見ずに黒板に世界地図を書くのが印象に残っている。高2の担任は体育の先生だった。体育の先生らしく怖いイメージが残っている。去年の同窓会で話をすることができ、とてもよかった。2回目の高2は英語の先生が担任だった。一番前の席で授業中に弁当を食べているヤンチャな生徒を見つけ、相当頭に来たのだろう足でけってカンカンに怒っていたのを思い出す。高3は化学の先生が担任だった。とても穏やかな先生だったが、授業中にカンカンに怒っているのがかすかに記憶にある。あれはなんだったっけ……? そういえば、文化祭で「水使用禁止」だったにもかかわらず、クラスの催しもので「金魚すくい」をやったときも時も怒られた。去年の同窓会のとき、その先生が亡くなられていたことを知り、とてもショックだった。卒業式が終わり、教室での最後のホームルームでの言葉が「酒は多少はいいが、煙草は吸うな」だったのを思い出した。

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