上野日記

自分が主人公の小さな物語

浅田次郎の『地下鉄に乗って』を読んだ

浅田次郎の『地下鉄(メトロ)に乗って』を読んだ。1994年に徳間書店から刊行された長編小説で、1995年に第16回 吉川英治文学新人賞を受賞した作品だ。この本は2006年に「特別版」として刊行されたもので、最後に『地下鉄に乗って』執筆に関する書き下ろしを含むエッセイ(父親がモデルになっていることや、題名の由来)が追加されている。

物語は地下鉄を降りると30年前にタイムスリップしていた。その日は兄が自殺した数時間前で、それを阻止しようとする。だけど過去は変わっていなかった。何回か現在と過去をタイムスリップするたびに時間が遡り、若かりし父親、少年時代の父親と出会う。そして……。不思議なファンタジーで、泣けた。
最初のタイムスリップは昭和39年、東京オリンピック開催間近でにぎわっている。ふと、映像が蘇り、「堤真一」の顔が思い浮かんだ。調べたら映画の主人公が「堤真一」だった。どうやら映画版をテレビ放送で観たようだ。でも、その内容はほとんど忘れていた。どうやら「岡本綾」や「常盤貴子」も出演していたらしい。本を読んでいても細切れにしかその映像を思い出せなかった。機会があればもう一度その映画を観てみたい。


最初に地下鉄に乗ったのは、たぶん高校の修学旅行で東京に来た時だと思う。自由行動で銀座まで行ったので、きっと乗ったはずだが全然覚えていない。それから、大学を卒業し、就職で横浜に来てからは「横浜市営地下鉄」を利用した。社員寮の最寄り駅は市営地下鉄の港南中央駅だったので、地下鉄で横浜駅まで行き、横須賀線東海道線戸塚駅に向かう。当時(20数年前)の地下鉄の下り線は上永谷駅までしか開通しておらず、戸塚には直行できなかった。このように毎日の通勤で横浜市営地下鉄は生活の一部になっていた。

そういえば、最近、横浜市営地下鉄には乗っていないなぁ……。

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