上野日記

自分が主人公の小さな物語

五木寛之の『新・風に吹かれて』を読んだ。

五木寛之のエッセイ『新・風に吹かれて』を読んだ。1968年に刊行された『風に吹かれて』を読んだのは学生の頃なので約30年前だ。2001年までの単行本・文庫本の合計で460万部に達したらしい。

『新・風に吹かれて』は、2004年9月から2006年2月にかけて『週刊現代』で連載されたものに加筆・修正の上まとめなおし、2006年に講談社から刊行されたものだ。
快いリズムの文章で五木さんのエッセイはとても好きだ。ただ、年齢的なものもあるのだろうか「老い」に関する記述が増えたような気がする。
「あとがき」に、最初に書いたエッセイ『風に吹かれて』を「フェイエトン(雑文)」と呼び、それから40年近くの歳月が流れ、時代も自分自身も変わった、と述べた後に、以下のような文章がある。

久しぶりに週刊現代に連載することになって、題名をあれこれ考えた。
 そして『新・風に吹かれて』と決めたのは、もう一度、あのころの雑文書きの原点に戻ってみよう、という気持ちがあったからだ。

私が『風に吹かれて』を読んだのは大学生だった。その頃、何を考えて生きていたのだろう。そんなことを考えると不思議な感じがする。まずは、「原点」から見つけなければならないか……。

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