上野日記

自分が主人公の小さな物語

金原ひとみの『蛇にピアス』を読んだ

金原ひとみの『蛇にピアス』を読んだ。2003年にすばる文学賞を受賞したデビュー作で、2004年に芥川賞を受賞(綿矢りさの『蹴りたい背中』と同時受賞)した小説だ。2008年には、蜷川幸雄監督、吉高由里子高良健吾ARATA出演による映画化もされたらしい。

こちらも最年少受賞ということで話題になり、前々から読みたかった本だ。横浜市立戸塚図書館から借りてきた。
私にはちょっと理解できない世界かもしれない。でも、それを19歳の女性が書いたのだ。舌を蛇のように二股に裂いている彼に惹かれて舌にピアスの穴をあける少女。そして、龍と麒麟の刺青を入れる。パンクな彼が起こした事件、刺青師との関係、舌にあけた穴を次第に大きくしようとする彼女、そして彼の死、不安がさらに増していく。舌に空いた大きな穴は元に戻るのだろうか……彼女ならがんばれるかもしれないと思った。


「蛇」の想い出といえば、まだ小さかった頃、祖父が生きていたので小学1,2年か保育園の頃だったと思う。当時実家では鶏を飼っていた。その鶏小屋に蛇(青大将)が入り込み卵を呑みこんでいたのだ。鶏たちがやけに騒がしいと祖父が様子を見に行き発見したらしい。青大将は呑みこんだ卵(しかも2個)で腹が大きくなり、入り込んだ穴から出られなくなっていた。かなり大きかったので、子ども心に怖い思いをしたのを覚えている。

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