上野日記

自分が主人公の小さな物語

村上春樹の『海辺のカフカ』を読んだ

村上春樹の『海辺のカフカ』を読んだ。過去に読んだ作品は30歳前後の主人公が多かったのだが、これは15歳の少年<僕>が主人公の2002年の長編小説だ。2006年にはチェコ文学賞である「フランツ・カフカ賞」を受賞し、ノーベル賞の有力候補として話題になった。

家出をした<僕>の話(一人称で記述)と、60年前の戦時下に奇妙な事件に遭遇し読み書きの能力を失った老人ナカタさんの話(三人称で記述)がパラレルに進み、次第に二人の話が絡み合っていく。そして、少年は不思議な体験をして成長していく。
いつのものように謎が残る不思議な小説だった。それを読み取らないといけないんだろうなぁ……。この少年が東京に戻り、どのような大人になったのか、続編があれば読んでみたいものだ。


村上春樹が書く小説の登場人物のほとんどが「サラダ」を食べる。今回も少年や老人がサラダを作って食べるし、20代半ばのトラック運転手の青年も「カレーとサラダ」を注文する。ふつー食わないようなぁと自分と比べながら読み進めるが、きっとこだわりがあるのだろう。

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