上野日記

自分が主人公の小さな物語

村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』(第3部)を読んだ

村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の「第3部 鳥刺し男編」を読んだ。「鳥刺し男」とは、モーツアルトの歌劇『魔笛』の中の鳥刺し男パパゲーノのことで、主人公とセレブな女性(赤坂ナツメグ)の会話に出ている。「俺は鳥刺し」または「私は鳥刺し」という和訳のタイトルが付けられており、パパゲーノが劇中で歌う歌がある。どこかで一度は聴いたことのある曲だ。

やはり、不思議な話だった。謎が謎を呼んで色々と絡み合っている。主人公の<僕>が語っているのは、夢なのか現実なのか、はたまた妄想なのか……読者を混乱させる。『ダンス・ダンス・ダンス』もそうだったのだが、「謎」が残ってしまった。「仮縫い」とか突然登場した「少年」、最初に電話した女性(クミコだったのか?)、バットで殴られた男性はどうなったのか等など、まぁ少しずつヒントやきっかけとして<僕>と絡んでいるのはたしかだが……。


モーツアルトの『魔笛』と言えば、クラシックギターを弾く人には、フェルナンド・ソル(Fernando Sor)作曲の「モーツアルト魔笛の主題による変奏曲」というのが有名だ。私自身も学生の頃から弾いている曲で、ほぼ暗譜はしているものの未だに完璧に弾くことはできない難しい曲だ。……「鳥刺し男」とは関係ないけど。「鳥刺し」ってなんだろうと思っていた。「鳥の刺身」か、とも考えてしまった。調べたら「鳥もちなどを使用して小鳥を捕まえること」らしい。『魔笛』に登場するパパゲーノは、鳥を捕まえて女王に献上して生計を立てているらしい。

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