上野日記

自分が主人公の小さな物語

新語・流行語大賞は「ゲゲゲの〜」に決定

水木しげる武良布枝ご夫妻、新語・流行語大賞おめでとうございます。

今年のユーキャン新語・流行語大賞は「ゲゲゲの〜」に決定したというニュースが流れたのは昨日のことだ。「あ〜、よかった」。……うん、ちょっと自分でも嬉しかった。布枝さんの困ったような、そしてはにかんだような表情が印象的だった。ネットニュースではゲゲゲの女房で主演を演じた松下奈緒とのツーショット写真も掲載されていた。

久しぶりにNHK連続テレビ小説を見ようかと思ったのが「ゲゲゲの女房」だ。それは、布枝さんが書いた小説が話題になっていたことと、子どもの頃「ゲゲゲの鬼太郎」を見ていたから、という単純な理由だった。ま、普通のサラリーマンは録画しない限り見られない時間だけどね。毎朝「ゲゲゲの女房」を見終わるとTwitterに必ず感想をつぶやいていた。「よかった」とか「泣けた」とか「しょんぼり」とか「大変だぁ」とか……、内容はネタばれになるので、15分間を凝縮した感想を一言でつぶやいていたことが多かった。最終回のつぶやきは以下だ。

ドラマは、布美枝(布枝)の子ども時代から始まり、引っ込み思案な性格を印象付ける。30を目前に貸本漫画家の水木しげるとお見合いをして5日後に結婚、そして東京での赤貧時代を明るく一生懸命に生き抜く。マンガはなかなか売れず質屋通いが続く。そして、水木しげるは「悪魔くん」「テレビくん」「ゲゲゲの鬼太郎」で漫画家としての成功をおさめ、それを陰ながら支えていたのが布美枝だった。番組の視聴率は当初15%程度だったのが後半は20%を超え、その人気ぶりがうかがえた。それも流行語大賞になった一因だろう。忘れてはならないのが、いきものがかりが歌う主題歌の「ありがとう」だ。ドラマの内容にとても合っていて、こちらもヒットしていた。


連続テレビ小説を見るのは「久しぶり」と書いたのは、それは「おしん」以来だからだ。当時、私は大学4年生で、風呂・トイレ共同の四畳半一間という学生アパートに住んでいた。目覚まし時計を8時15分にセットし、目が覚めると布団の中からテレビのスイッチを入れて「おしん」を見る。見終わったらそのまま寝る。というような生活をしていた。「おしん」は平均視聴率52.6%というお化け番組で、見ていてとても面白かった。

大学の卒業式も終わり、熊本の実家に帰ってからも見ていたが、残念なことに最終回を見られなかった。それは、最終回の日(1984/3/31)に就職のため横浜に向かわなければならなかったのだ。朝一番の飛行機だった。昼からの再放送も見ることができなかった。それがとても気がかりになり、テレビで「おしん」関連の放送(小林綾子がいかだで奉公に向かうシーンとか)があると、必ずそのことを思い出していた。

それから何年経っただろうか。会社の寮を出て、アパートに移った。このアパートも今住んでいるところと同じように、アンテナの調子が悪くなり途中でケーブルテレビをつなげてくれた。それから数カ月が経ち、チャンネルを変えている(どのチャンネルか忘れたが、地上波ではないことはたしか)と、なんと「おしん」の再放送をしているのを発見した。一度に三話ずつ放送していた。もちろん最終回も見ることができ、20年来の思いを果たすことができた……

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