上野日記

自分が主人公の小さな物語

ようやく、地上デジタル放送に対応

何年前か忘れたが、それは風の強い日だったと思う。もしかしたらその日は台風だったかもしれない。屋上に設置されている共同アンテナが、根元からぽっきりと折れてしまった。月面に置いたテレビに大きなアンテナを接続しても、きっとこんな画面になるだろうなと思うぐらいの酷い画面だった。大家さんはすぐに新しいアンテナを立てた。ただ、この地区は電波の届きは悪いので、満足しなかった居住者からクレームでもあがったのだろうか、しばらくしてからケーブルテレビが導入された。ケーブルテレビ会社はJCNよこはまだ。もちろん、費用は大家さん持ちだったので、自己負担金はなかった。テレビはゴーストもなくなり、きれいな画面となった。ただ、その時は誰も「地デジ」なんて言葉すら知らなかった……、と思う。
アナログ終了1年前になるとテレビでは地デジに切り替えろとうるさくいっている。SMAP草磲君のCMや「地デジカ」も頻繁にテレビで見るようになった。おまけに画面右上には「アナログ」が表示されるようになり、7月ぐらいから画面下部の黒帯部分に地デジへの切り替えを促すメッセージが頻繁に出るようになった。「うざい」という言葉はこんなときに使うのだろうな。

きょう、ケーブルテレビ会社から人が来て「CATVデジタル セットトップボックス」を設置してもらった。料金は大家さん負担だった。

ケーブルテレビに接続された地デジ非対応のデバイスでも地デジやBS放送を見られるようにするための装置らしい。画面右上の「アナログ」も地デジ切り替えを促すメッセージも消えてスッキリした。

ただ、これを使ってHDDレコーダに録画するにはちょっと面倒だ。地デジ番組のW録画もできない……、とほほ。


20年ぐらい前になるがボストンに赴任していた頃「キャプションアダプター」という装置を購入した。大きさはこのセットトップボックスより一回り小さい。これは、耳の不自由な人のためにテレビ画面に「字幕」を表示してくれる機械だ。アメリカのほとんどのテレビ放送には「字幕」が埋め込まれている。普通のテレビではその字幕を見ることはできないが、このキャプションアダプターを経由すると画面下にアナウンサーの言葉や俳優のセリフが「字幕」として表示される。もちろん英語だ。

赴任当初、テレビから流れる英語はほとんど聞き取れなかった。ま、元々英語が苦手だった私に、それを克服するのは無理なことだったかもしれない。キャプションアダプターを接続しても、流れる英語の字幕は早過ぎて追うことができなかった。外国映画で日本語の字幕と画面と内容を理解するのにある程度パワーが必要なのと一緒で、英語の字幕を理解するにはとても辛いものがあった。でも、1年ぐらいすると慣れてきたのだろうか、分からない単語は数秒に1回登場するが、英語の字幕は何となく目で追えるようになってきた。

それから20年、日本語字幕の外国語映画も、めんどくさくて見なくなってしまった。

© 2002-2017 Shuichi Ueno