上野日記

自分が主人公の小さな物語

ボージョレ・ヌーボー解禁

きょうは、11月の第3木曜日、ボージョレ・ヌーボー解禁日だ。ということで、早速ダイエーで買ってきた。

ま、どれも味は同じだろうし、違っていたとしてもたぶん分からないだろうから、ペットボトル入りの一番安い680円の商品を買ってきた。つまみは、やっぱりチーズだよね、ということで「なとりのカマンベールチーズ鱈」だ。

去年のボージョレは「50年来の出来」と評判だったが、今年のボージョレは「例年並みにフルーティーな香りが楽しめる」らしい。ま、ボージョレ・ヌーボーが不味くなかったという年はもう何年も続いているらしいので、「例年並み」がどの程度か私にはきっとわからないだろう。
まだ昼の3時だが、それを飲むことにした。そとは今にも雨が降りそうな気配をしているが、なかなか降らない。「どんよりとした」という形容が似合いそうな雲が、空の端から端まで覆っていた。晴れていたらワインの味も変わっていたかもしれない。キッチンの棚からワイングラスを取り出し、念のためにきれいに洗う。ワインのプラスチックの栓をひねると乾いた音がして申し訳なさそうにえんじ色のキャップが外れる。コルク栓を抜くのに比べると実にあっけなかった。子どもの頃に飲んだファンタ・グレープのような赤っぽい液体をグラスに注ぎ、においを嗅いでみるとほのかなワインの香りがする。そして、その赤っぽい液体を口に含むと渋みが少なく、たしかに「フルーティー」な感じがし、その香りは鼻から抜けていく。これが「例年並み」の味らしい。

20年以上前、昔勤めていた会社の1年後輩(といっても同い年だが)が、ボーナスをはたいてワインを買った。しかも2本。ロマネコンティだったかどうか忘れてしまったが、普通の感覚の人はそんな高いワインは買わないという代物だ。栓を開けてしまうと全部飲まないといけない、でも全部飲めないから一緒に飲もうと私ともう一人誘ってくれて一緒にその高いワインを飲んだ。「飲みやすいね」としか言わなかったので、彼は怒っていた。

ボストンに赴任していた頃、会社の先輩が「97点」とその年最高得点を取ったワインをとあるパーティーに持ってきた。飲ませてもらい「のど越しがいいですね」と言ったら、彼はむっとしていた。

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