上野日記

自分が主人公の小さな物語

山田太一の『冬の蜃気楼』を読んだ

この本もいつ買ったのか分からないくらいだ。途中まで読んでほったらかしにし、しばらくして内容を忘れたのでまた最初から読みなおし、また途中で止まっていた。今回、また最初から読みなおした。

1958年、映画会社に入社したばかりの22歳の助監督・石田が美少女で新人女優の瑠美16歳に心を奪われ、40過ぎの大根役者・羽柴重作に翻弄されながら世間を知っていく。それから33年、羽柴のお膳立てで石田と瑠美が再会する。33年の時間の流れはお互いの記憶を曖昧にしていた。そこで話は終わる。
山田太一はこの小説で何を伝えたかったのか、とても不思議な感じがしもやもや感が残ってしまった。

今年の正月、高校の同窓会があった。卒業して30年になる。深夜3時まで飲み明かした。その時話した高校時代の想い出話は本当だったのだろうか……

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